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「香り」にこめたバジルの知恵

2011/03/31

「香り」にこめたバジルの知恵

野菜エンスとは、サブウェイがお送りする、サイエンスで野菜を楽しむコーナー。サブウェイでおなじみのあの野菜、この野菜。普段何気なく食べている野菜について、もう少し知ってみませんか?

「王様の薬草」と称され,独特のさわやかな香りを放つスイートバジル。小さなスプーンのかたちをした緑色の葉っぱは,そのままちぎったり,ソースや粉末にすることで,料理に彩りを添え,香りづけをしてくれる名脇役です。食欲を増進させてくれるバジルですが,植物として,その香りをどのように使っているのでしょうか。

私たちが普段かいでいる香りは,開花期前後のバジルから放たれています。数十種類ある香り成分の中でも,「リナロール」はその30 〜 40%を占める重要な物質。しかし,主軸から伸びた枝葉が6枚くらい開いている幼植物期のバジルでは,このリナロールはわずか8%ほどしか含まれていません。その代わり,「メチルオイゲノール」という別の物質が香り成分の30%以上を占め,開花期が近づくにつれて,次第に減少していきます。つまり,バジルは成長段階に応じて香り成分の量を調節していたのです。これまで,メチルオイゲノールには昆虫の摂食障害や殺傷効果があり,リナロールは開花期になると花穂に多く含まれることがわかっています。そのため,バジルは幼植物期にメチルオイゲノールを発散させ,天敵となる害虫を寄せ付けないようにし,開花期には花粉媒ばいかい介虫を引き寄せるためにリナロールを出しているのではないかと考えられています。

あるときは自分の身を守り,またあるときには子孫を残しやすくするために使い分けていた「香り」。

それはバジルが考え出した,生きるための知恵なのかもしれません。

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